日常と努力
小6、中3、高3、それぞれの学年で、入試に向けた意識が強まっていると思います。
この塾のある地域は、私立中学が少ないために、これまで平山塾で中学受験をした人は、10年弱で一桁です。それでも、平塚中等教育へのチャレンジ、横浜市内の市立中学へのチャレンジなど、時折ご相談を受け、ご入会頂いて、全力でともに戦ってきました。今年はそういう方はいらっしゃいませんが、いつ中学入試のお尋ねを頂いても良いように、塾として備えはしています。
高校入試は、年々難化しています。現高1生から高校でのカリキュラムが変わり、現中2生から入試におけるS値の部分的変更があります。そういう意味では、現中3生は狭間(はざま)の狭間、と言えるかも知れません。別のブログでも書いていますが、地域的には倍率が低い公立高校が多いのですが、高校入試は通過点に過ぎないので、高校進学後のことを念頭に置いて、中3生の人には学んで貰いたいと思います。
大学入試は、徐々に合格定員が厳格化されていて、結果的に、首都圏の大学にはFランク(入試で氏名を書けば合格できるくらい不人気で定員割れしている)大学はなくなりつつあるという意見があります。また、1学期までは大学進学を決めかねるケースもあるので、そういう難しさも生じているようです。
勿論、高校を出て就職する方もいます。専門学校へ進む方もいらっしゃいます。それぞれ、その時点で自分にとってのベストの選択をしたならば、将来には希望があると思います。
ところが悲しいことに、ノープランのように進学を決めたり、専門学校へ進んだりしたというお話も、僅かながら耳にします。それでは個人の幸せにはなかなか巡り合えないように思います。
いままだ受験学年ではない方々、今のうちから自分の可能性を広くイメージしてください。日常できていないことがいざという時にできることはありません。どんな入試も、テストの時間そのものは短いです。難しく言えば「須臾(しゅゆ)の間」です。しかしながら、いざ入試当日という時のために、前もって準備をしておくことが必要です。
今は、「中学は地元の公立中へ」と思っていても、小5・小6になって「私立中学っておもしろそうだな」と思うかもしれません。「大学なんて行かないよ」と思っていても、尊敬する人物の出身校へ進学したいと思う時が来る可能性だってあります。若い皆さんは、これから何にだってなれるのです。
因みに、私の場合は高1くらいに、知っている有名人の最終学歴を(インターネットがない中で)調べたことがありました。大好きな小説家・平井和正先生は中央大のご出身でした。郷里の誇り・江戸川乱歩先生は早稲田大学のご出身でした。吉田拓郎さんが広島商科大(現・広島修道大)、手塚治虫先生は旧制でしたが大阪大学医学部(医専)のご出身で博士号の持ち主でした。
だんだん、自分が知っている著名人を調べていくと、大学を出ている人が圧倒的多数でした。先ごろ亡くなられた山本コータローさんは一橋大卒、小田和正さんは横浜の聖光学院から東北大、オフ・コースのもう一人鈴木康博さんは高校は同じで東工大でした。結果、高1の頃から「大学には行った方が良いな」と思い始めました。
今だと、アイドルに分類されるタレント・歌手の方でも大卒が多いですね。そういう面から大学に興味を持つのも良いと思います。お笑い芸人さんでも、霜降り明星の粗品さんとかカズ・レーザーさんは同志社大ですね。南海キャンディーズ・山里さんは関西大学、ロザン・宇治原さんは京都大学卒、芸能界も変わっています。
それから、スポーツ推薦で大学に行く道があるとだけ聞いていたので、プロレスラーのジャンボ鶴田さんが推薦じゃなく中央大だと知ったのも驚きでしたし、役者さんで(今話題の)香川照之さんは東京大です。才能という言葉だけで片付けられない、ご本人たちの努力が垣間見える気がしました。
あまたある自分の可能性・将来性を、一時の感情で決めつけないでください。現状の社会システムの中で、一番普遍的な状況は、学歴を重ねて社会に出ることに違いありません。だからこそ、そうではない道を選ぶ人は、その理由を明確に周囲に伝えてください。それも「好き・嫌い」ではなく、自分の可能性を広げることをゴールに設定して。
人生は山上に山ありです。だからこそ面白いのです。自分に与えられたシステム・環境・レギュレーションの中で最大限の努力をして、将来に備えてください。
折しも今日10月10日、プロ野球セントラルリーグでレギュラーシーズン3位、勝率50%に届かなかった阪神タイガースが、ポストシーズンのクライマックスシリーズを1つ勝ち上がりました。世間では、「勝率が5割ないチームが日本シリーズに出るとしたら問題だ」とか、「首位や2位の価値が下がった」とか言われます。でもそのレギュレーションで、選手たちは戦っているのです。その中で、「史上最大の下克上」が起こっても良いはずです。
日常の努力。私たちもこれを忘れずに、日々生徒さんたちと接して行きます。どうか学生の方たちも、日々、勉学面の努力を怠らずに過ごしてください。努力が自分の背中をきっと押してくれますよ。